プレイパークで子どもたちは思いっきり遊んでいますが、そんなに頻繁に怪我が起きるわけではありません。
しかし、怪我があったときは即座に対応できるよう、年に1度は研修をしています。
今回は、中消防署の職員の方々にプレイパークで起きやすい怪我の対処法を講義と実技の2本立てで教えていただきました。簡単にご紹介します。
事前にプレイリーダーからの質問をお渡ししていました。それに答えていただく形でパワーポイントを使って事故やケガについて講義を受けました。
休憩をはさんで実技です。
1) 怪我の対処法
①窒息したとき
・窒息のサイン→のどに手をあてる、苦しそう
声が出る→気道に隙間がある 声が出ない→完全に詰まっている
・対処→背部叩打法(手の平のつけ根で強く突き上げるように叩く)、腹部突き上げ法(背部から手を回し腹部を突き上げる)腹部突き上げ法は乳児には適用しない。
実際、人形を使って練習しました。
一つの方法で詰まりが取れない場合は、交互に実施するとよいそうです。
②刺咬傷・・・毒のある虫刺され、動物に咬まれて出来る傷
・対処→咬まれた箇所を流水洗浄し、滅菌ガーゼで覆う。
毒の循環を遅らせる為、箇所を心臓の高さで安静にする。
ポイズンリムーバーは毒素が散らばらないよう注意。
※症状:ハチに刺された→発赤、水疱、かゆみ、気道狭窄、血圧低下
*アナフィラキシー→強いアレルギー反応で全身腫れる。特にのどが腫れると呼吸困難となり、緊急処置が必要である。
③熱中症
※1症状:立ちくらみ、こむら返り、大量の発汗
対処→涼しい所(日陰、冷房室内)で安静にし、塩分と糖分入りの飲み物を飲ませる。
※2症状:頭痛、吐き気、倦怠感
対処→体を冷やし病院を受診する。首、脇の下、太ももつけ根を冷やすと効率よく体が冷える。
※3症状:意識朦朧、40℃以上の体温
対処→119番通報し、体を冷やす。
④裂傷
・深い傷や汚れのひどい傷→可能であれば流水洗浄し、傷口を清潔にして病院を受診する。
・止血の方法・・・清潔なガーゼ、タオル、ハンカチを傷口に当てて圧迫する。
動脈出血はしっかり圧迫しないと止まらない。
・頭の傷の止血・・・吐き気、意識障害がなければ、応急処置はまず止血。
・首の止血・・・両方押さえると窒息してしまうので、片側だけなら圧迫止血が使える。
*止血の際は、感染症予防の為、ビニール手袋をして処置を行う。
⑤捻挫、打身、骨折
冷やす。手足が変形している場合、骨折の可能性がある。
添木や三角巾で固定する。無理に曲げたり伸ばす必要はない。
本人の楽な形や高さで固定する
⑥やけど
すぐに流水で10〜20分冷やす。服の上からでも冷やす。
範囲が広い場合は、全身の体温が下がりすぎる程の冷却はしないよう気をつける。
その後病院を受診。
水疱がある場合は、水疱が傷口の保護効果があるので、つぶれないようにそっと冷やす。
2)質疑応答タイム
「冬のやけど 寒いのでためらう」「ロープで首がしまったら」「蜂や蛇にかまれたら」「なんの虫に刺されたのかわからない場合」「痛みに強い子。骨折かどうかの判断」等、プレイパークでおこりそうな質問が飛び交いました。
3) 気づきの共有
大きな怪我の時の対応は誰もがドキドキしますが、講師の「迷うならヤレ!!」の言葉が印象的でした。そのような気持ちで、具体的な処置を繰り返し学び、自信をもって対応することが大切だと改めて思いました。