全体研修~リスクマネジメント~

年に1度の横浜市環境創造局の皆さんと共に学ぶ研修の日。

プレイパークは、子どものやってみたいことを大切にした遊び場。

遊んでいてケガが起きたとき、どう対応していくか、また、リスクマネジメントとはなにか、等を各団体の運営者とプレイリーダーが参加し、学ぶ時間でした。

本日の講師は、フリーランスプレイリーダー、プレイコミュニティワーカーの高橋利道さんです。現在、横浜に創ろうネットワークでもプレイリーダーとして現場にたっています。

場所は片倉うさぎ山プレイパーク。

 

最初に講師から質問が出されました。

「プレイパークで事故や怪我が“全く起きない”ようにするにはどうしたらいい?」

「“全く起きない”ような場づくりや関わり方をしたら、子どもの遊びは、また、子どもの育ちはどうなると思いますか?」

「子どもは遊びの中で積極的にけがをした方がいいと思いますか?」

 

事故や怪我は起きないに越したことはないと思いますが、子どもは遊びの中で冒険や挑戦をしながら成長していきます。逆にいうと、事故や怪我をゼロにしようとするために全く危険をなくしてしまうと、冒険や挑戦の機会もなくなり、成長の機会もなくなってしまうことになります。

 

子どもの権利条約国土交通省都市公園における遊具の安全基準に関する指針なども引き合いに出しながら、子どもにとって遊びがなぜ大事なのか、また遊びにおいて危険はついて回ること、だからこそ適切に危険を管理すること(リスクマネジメント)が必要であることが示されました。

 

また、「危険」は英語だと5つも単語があり、「危険」でも意味合いが異なる、特に「リスク」と「ハザード」の違いを理解しておくこと。リスクマネジメントを行うときには、リスクだけでなく、得られる便益(ベネフィット。遊びの場合は多くは成長の糧だと考えられます)も合わせて考えることを学びました。

後半は、リスクマネジメントの中でも、実際に事故や怪我起きた際の対応(クライシスマネジメント)として、グループに分かれてロールプレイに取り組みました。

 

講師から提示された2つのシチュエーションから1つを選び、一人ずつ傷病者やプレイリーダー親などの役割を担当し、怪我や熱中症が発生した想定で実際と同じように対応にあたりました。

熱中症?症状はどの程度?どうする?体を冷やす?救急車を呼ぶ?等の動きをロールプレイ。

一通りの対応が終わったあとは、自分たちがどのような行動をとったかを振り返ります。

また、合わせて、その時々でどのような感情をいだいていたかも書き出します。

その後全員で共有

それぞれのグループが説明

同じシチュエーションで対応をしても、グループによってやっていることやっていないことが出てきます。それらを共有することで、足りなかった対応や余計だった(省いてもよかった)対応があること気づけました。

また、それぞれの立場になってプレイしてみると、いろんな気持ちに気づきます。その気持ちを共有し、シミュレーションしておくと、万が一の対応に少しは慌てずに対応できるのではないでしょうか。臨機応変の対応が必要なので、日ごろからのコミュニケーションが大事だと改めて感じました。

 

《参加者の感想》一部抜粋

・プレイパークを開いている世話人とそこで場を広げるPLと同じ研修を受けて同じ意識を持つことの大切さがよく分かった。

今日来られなかった世話人にも伝えていき、共通認識を広げていきたい。

・ロールプレイングでは、けが人役をやっていたことで、落ち着いて状況を見ることができて、ためになりました。周りの動きを客観的に見る感じで、あれこれ考え何が不足しているかも気づけたと思います。

事故後はけが人だけではなく、関係者やそれぞれの保護者、周辺にいた人たち、場内にいるすべての人への配慮等改めて考えさせられました。

・リスクをどうとらえるのか、ベネフィット(利益)がどのくらいのものなのか評価基準を持つことを今後の課題として勉強できればと思う。

 

子どもたちが、のびのびと遊べる、挑戦したくなる、安心して失敗できる。大きな怪我をしないように危険回避できる力をつけて欲しいと思って運営しているのがプレイパーク。遊びに来られる皆さんとともに、子どもの気づかない危険を取り除きながら、子どものやってみたいことができる環境を創っていきたいと思います。