プレイリーダー研修「主体的に遊べる場の作り方と仕掛け方」

本日の研修は、日本冒険遊び場づくり協会代表でありフリーランスでプレイワーカーをされている関戸博樹さん、通称どっくんが講師でした。

どっくんは、04年~12年までの8年間、渋谷はるのおがわプレーパーク(東京都渋谷区)で常駐プレーリーダーとして従事。

現在はプレーパークでの仕事に限らず、子どもの遊び環境向上のため様々な分野での人材育成、幼稚園や保育園の園庭改良、主夫としての経験も活かした親向け講座などをされています。

運営している世話人はオンラインで参加。

ブレイクアウトルームを使って他の団体のメンバーとの交流の時間もありました。

横浜市にある25か所のプレイパークは、立ち上げ時期や開催頻度が様々なので、プレイリーダーの研修を全体研修とし、プレイリーダーだけではなく運営者と共に学べる機会を作っています。

特に、長年プレイパーク活動をしている方のお話を皆で聞き、自分のプレイパークの活動に活かすことや困っている事柄にアドバイスを頂ける貴重な機会です。

 

内容は、3部構成になっており、事例を含めてのわかりやすいお話でした。

①そもそも「遊び」ってなんでしょう

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 遊びとは・・・やりたい! から始まるすべてのこと(内発的動機づけ)

 子どもが自由に遊ぶ。本質的に自らの動機に基づく行動。

 遊ぶことそのもの(プロセス)が目的であり、評価に関係ない時間。

 遊びをとおして自分のモノサシを自身の中に作り上げていくそうです。 

 こどもは何かを身につけるために遊ぶわけではありません。  

 これらのことを、見守る大人は理解しておくことが必要ですね♪  

②リフレクション(内省)について

 「自ら気づき行動が変容する」ことに繋げます。

  指摘されて納得するのではなく、自分で気づくことが大事。指摘されないように動こうとするとマインド設定されてしまう可能性があるそうです。

効果的なリフレクションに必要なのは客観的な認知(メタ認知)の力。

自分を俯瞰してみているもう一人の自分が指示を出したり調整したりできるようになるそうです。

チームとしてのリフレクションも大切。情報共有も大切です。

練習方法があるようなのでやってみましょう。家族内でも使えそうです。

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③主体的に遊べる場にするためのしかけ

・場の魅力の最大化。大人がきっかけをつくる。導線の整理、場の配置。

・子どものやってみたい気持ちに寄り添う。

・自由に遊んでも良いことがわかるようなデモストレーションの動きをとる。

・子ども優位でイニシアチブをとれる関わりをする(子どもが手綱をにぎってコントロールする)

 

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どっくんのお話を聞いて、そうだよね・・・とうなづくことばかり

リフレクションのやり方が意外と難しいな、と日ごろから感じていましたが、相手の意図をくみ取って聞く、ポジティブな指摘をする、また自分の意図を言ってフィードバックをもらう、などのヒントをいただきました。

ネットワークで活動しているYPCネットワークはまさにチームとしてのリフレクションが必要ですね。年度末に今年度のまとめとしてやってみよう!

と元気をいただきました。

 

プレイリーダー研修~「遊育のススメ 遊びで育つ子どもの根っこ」~

1月はプレイリーダー研修として、冒険遊び場初代プレーリーダー天野秀昭さんの講演を聞き、語りあいました。

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長年プレーリーダーとしてプレーパークで子どもたちに関わっていた天野さんのお話は、何度聞いても情動が動きます。

遊びそのものの価値、外であることの意義が話され、こんなに大切なのに、なぜ認知されないのか、それは点数化できないから。

プレーパークは、子どもが自らやりたいことができる、自由に遊べる環境があることで、子どもは育ちたいように育つ。外でしか得られないもの、ベチャベチャ、ゴワゴワ、ザラザラ、チクチク、ヌルヌルなどの感覚、まさに体で「快」「不快」の感覚を覚えていく。幼児は室内だけでは到底足りないそうです。

 

「教育」「遊育」の違い、あぶない(A)・きたない(K)・うるさい(U)のAKUなど、天野さんオリジナルの言葉で語られました。子どもはAKUの存在で社会に嫌がられる。

しかしプレーパークでは子どもに必要な「遊ぶ」ことを保証する場であること。

 

遊ぶことで情動が動く→「私は私」という記憶→長期記憶へ→アイデンティティが育まれる。

①乳幼児期は生涯の礎の時期

②親は支援の対象ではなく育ちを支える同志

③第3の大人だからできること・・・

 子どもを価値として評価しない、その人をその人として見る

 

なかなか親ではできないこと

プレイリーダーだからこそできる。子どもの本当の育ちってなんだろう。などなど

改めて深く考える機会になりました。

 

お話を聞いた後のプレイリーダー同士のシェアタイムではさらに深堀りし、明日からの仕事に活かせるエッセンスをたくさんいただきました。

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実際プレイパークで子どもたちと関わり、毎日の振り返りだけでなく、月に1度の仲間たちとの学習は、知識を得るだけでなく、心の栄養にもなりました💛

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心に残ったこと。これからやろうと思うこと。



 

プレイリーダー研修 ~ロープワーク~

12月の研修は保土ヶ谷公園でロープワーク。

始まる少し前まで大雨でしたが、皆が集合した頃には雨もあがりました。

今日の講師は、YPC元プレイリーダーのはんすとアシスタントのまさみっちょ。

参加者は、プレイリーダーとプレイパークの世話人やロープワークに関心のあるボランティアの方たちです。

本日のねらいは、「ロープワークの共通認識をもつ」

横浜のプレイリーダーはいろいろな現場に配置されるので、共通した基本の結び方が必要。だれもが認識できていることが必要です。そのために今日は確認をしていきます。

 

1.まずは、ロープの選び方、ロープの点検、摩耗の状態、強度等 確認します。

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2.設置する前にすること

 ケヤキクスノキなど表面が丸い木を選ぶ。養生する意味。基本の結び方、ねじり結び・ふた結びなどを確認。

3.2組になって、ロープで遊具を作ります。

想定は、月に1回日曜日開催の保土ヶ谷公園です。

①ターザンロープ ②ブランコ ③モンキーブリッジ ④くもの巣

時間までに2人で協力して遊具をつくります。

時間がきたら、それぞれの作った遊具の所で、

・最初につくる意図

・なぜここに作ったのか、選んだ理由

・気を付けたこと

を説明してもらいました。

①ターザンロープ

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入ってきて目立つところに作った。
気を付けたところは、地面に石が落ちていないか。動線は大丈夫か、下に挟まれない高さ。

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起こりうるリスクは?ブランコに乗っていない時にここにぶら下がったら?乗っていた子が突然降りたら?等、皆で想定してみる。

②ブランコ

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気づいたこと:長すぎるロープは危険。ロープが緩んでいるとふり幅が予想しにくい。座面はできるだけ柔らかいものを。

③モンキーブリッジ

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通路沿いなので動線といえば動線だが、目に留まる場所だからあえて選んだ。

通常は、上のロープと下のロープの間にロープを結ぶ。それは、登る手がかりにしたり、小さい子と大きい子が一緒に乗ったとき振り落とされないためにも結ぶ。

④クモの巣

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あちこちに張り巡るくもの巣。ロープが足りなくなったら結ぶ。長いロープは結びにくいし外すのも大変。

張る距離・木の太さ・ロープの長さを考えることが大切。

 

クモの巣ロープ遊具 誕生秘話

実ははんすが現役の時に考えた遊具。

子どもと作りながら遊べるものはないか・・・と考えているところに、小2の子が「ひっかければいいじゃん」確かにひっかければ乗れる。要所要所で結べばいい。と二人で試行錯誤して開発した。

いつのまにか定着して皆が作るようになってきた。

なにが危ないのかはやってみないとわからない。失敗しないがらわかっていく。

ただ、ロープは緩む、なんでほどけるのか。ほどけないのか。ロープのメカニズムを理解しておくことは大切。わかっていないと危険だよ。

 

講師はんすが子どもと共に遊具を発明したという話を聞きました。

はんすもプレイリーダーになったばかりの頃は、うまくできなくて、何度も失敗を重ねていくうちに、ロープ遊具を作ることが楽しくなってきたそうです。

そんな失敗談を含めたお話には、プレイリーダーとしての資質や子どもへの愛情が感じられました。

ロープで遊具を作れることができればいいという事ではなく、子どものやってみたいことを一緒にやってみる、工夫しながら子どもの遊びの世界を広げていくことがプレイリーダーにとっても楽しい魅力的な遊びだということを改めて気づかせてもらったのではないでしょうか。

 

はんすは現在、まさみっちょと一緒にフリーランスとして活動をしています。

いろいろ楽しい事を企画、実施出来る人たちなので、ぜひ声をかけて活動に活かしてください。

よろしくお願いします。

 

 

 

プレイリーダー研修 ~プレイパーク・プレイリーダーを伝える~

プレイパークに初めて来られた方に「プレイパークってどんなとこ?」と良く聞かれます。

その時、プレイリーダーは的確に伝えられているでしょうか?

そして、自分の仕事の説明はできているでしょうか。

 

本日の研修は、プレイリーダー同士が2人1組になり、プレイリーダー役と遊びに来た人役でロールプレイをしました。

遊びに来た人を演じる人は、自分で好きな設定をしました。

親子(父、母)、高齢者、ふらっと来た高齢者、高校生集団、サラリーマン、自治会長、行政の人等、様々な人が来られる、という設定です。

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「ここってどんな場所なんですか?」

 

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幼児を連れた母に説明

実際、やってみて、感じたことを伝えあったり、他の人のいいと思った言葉を書き留めたり、と丁寧な振り返りをしました。

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ありきたりの言葉でなく、自分の言葉で伝える。

相手が何を聞きたいのか、しっかり聞くことが大切。それに合わせて答えること。

熱量を少し加えて話すと、仕事に誇りを持って働いていることが伝わるね、等、いろいろな気づきがありました。

 

遊んでいるこどもの様子を相手に伝えることで、プレイパークという場には、温かい眼差しを持ったプレイリーダーや大人がいるということを知ってもらう機会です。

また、プレイパークは、初めての方が入りにくいと感じる方もいるようなので、プレイリーダーたちは、来園者にはできるだけ声をかけていこう、と改めて感じたようでした。

 

こどもの遊びや環境を大切にしたいと思っている人たちがボランティアで運営しているプレイパーク。

人と人との間で、ひとり一人が自分らしくいられる場を、今後も創って行きたいと思います。

きらきらプレイパーク訪問記 in 星野町公園

きらきらプレイパークは、今年度から、となりまちのコットンハーバー地区にある星野町公園でも開催することになり、毎月の開催となりました。

初日の27日(日)は、雨の予報。

初めてなので、どうぞ雨が降りませんように、とみんなで願ったからか、1日雨が降らず、しかも曇っていたので暑くなく、本当に過ごしやすい気候。

この地域の方たちや、たくさんの親子や小学生、中学生の姿がみられました。

マンションの窓から見て何やってるんだろう、と思って来られた方、毎回神奈川公園の時に参加している方、近くの保育園仲間が誘い合って来られたりと、とても賑わっていました。

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あちらこちらのプレイパークに現るきりさんやポルコさんの姿も。きりさんはシュロの葉っぱのバッタや風車を。ポルコは大道芸人なのでジャグリングや皿回し、バルーンなどを見せてくれました。

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水遊び、色水遊び、シャボン玉遊びは、大人気。初めての子ども達に入りやすい遊び。

色水遊びも、水風船が入っていたり、お花が入っていたりと工夫が見られます。

片付けの時に、この水の袋に切り込みをいれ、じょうろのようにして、お花にかけていました。大人はもったいないから、という発想ですが、こんなことも子どもにとっては遊びなんですね。 

 

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その他、草の上でゴム段をやったり、段ボールで家を作ったり。ビー玉コロコロは1日中誰かが遊んでいるほど大人気でした。

また、プレイリーダーがロープでモンキーブリッジを作ると、たくさんの子ども達が群がっていました。

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そして、本日、子ども達の足型手形で、素敵な旗が出来上がりました。

これから、開催の時はこの旗があがります。

この、高層マンション群の地域で、CCT(コットン・コミュニテイ・タウン)の方、つどいの広場(ほしのひろば)のスタッフ、子育て支援者さんなど、たくさんのボランティアさんが協力しあい、大人たちも楽しみながら、プレイパークを開催していました。

 

今後のきらきらプレイパークの日程をお知らせします。

星野町公園:9/26・10/24・12/26・1/23・3/27

神奈川公園:7/25・8/22・11/28・2/27

詳しくはきらきらプレイパークのHPで→神奈川公園きらきらプレイパーク (fc2.com)

CCT(コットン・コミュニティ・タウン)のHP→Cotton Community Town | (cottonct.org)

 

全体研修~プレイパークで自尊感情をそだてるには~

6月は運営している世話人とプレイリーダーが一緒に学ぶ全体研修を行いました。

今回お招きしたのは、健康教育学者の近藤卓先生。

以前、先生の講演会に参加したことがあり、自尊感情を育む過程をうかがって、目からウロコ!  衝撃が走りました。

まさにプレイパークで育てることができるじゃない!

そう思って、今回は皆で自尊感情について学ぶ機会としました。

 

まずは自尊感情とはなにか。

「自分を大切に思う気持ち」

 

人間関係の二つの基本形は、

向き合う=関係ができる(恋)  並ぶ=関係が深まる(愛) 

生後6か月までは互いに見つめあうことが大切だが

それ以降は、同じものを見る並ぶ関係。それは、心を豊かにする。

一緒に泣いたり笑ったり。

 

自尊感情には、二種類あって

①社会的自尊感情(すごい自分)→やる気をうみだす

優越感、他者との比較。褒められて伸びる。「すごいだろう」

熱気球のように膨らんで舞い上がる。バルーンのようなもので褒められていないとしぼんでしまう感情。ちなみに東京ドームは33年間風を送り込まれていて一度もしぼんだことがないそう。そんな人間はいるのでしょうか?

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②基本的自尊感情(ありのままの自分)→どんな時も支える

これでいい、生きていていい、このままでいい、自分は自分。他者との比較ではなく、絶対的、無条件、根源的で永続性のある感情。

それは、感情の共有体験で育つ。

糊をしみ込ませた和紙を、一枚一枚積み重ねて作られる。

和紙=体験の共有 糊=感情の共有

共有体験のたびに積み重なって厚みを増す。

 

自尊感情の4つの形が示されました。

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自尊感情の四つの型

思わず、自分はどれだろうとあてはめたり、遊びにきている子どもの顔を思い浮かべたそうです。

一緒に楽しく遊んだり、同じものをみて感動したり、悔しくて一緒に泣いたり、一緒にご飯食べたりと、手の届く体温が感じられ、話さなくても伝わる距離にいて、感情の共有体験が大切とのことでした。

子どもだけでなく、大人でも、自尊感情は育つそうです。

まさに、プレイパークの中で、一緒に過ごすだけで、基本的自尊感情が育つなんて素敵です💛

 

ついつい、大人はこどもをほめてしまいがち。そうではなく、一緒に体験して一緒に感じて、「ありのままでいいんだよ」を大切にした場にしていこう!

と感じたいい時間になりました。

 

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 近藤先生のお話の中に、アニメのワンシーンがでてきたり、様々な比喩的表現がとても興味深くて、みんな引き込まれていきました。

途中、近藤先生作「ありのままのわたし」ギターとハーモニカで生演奏の時間も。

心温まる時間をありがとうございました。

 

近藤卓先生の㏋ → Home | RAEC

 

 

 

 

 

 

プレイリーダー研修~今年度の振り返りと来年度の個別目標設定について~

 今年度最後の研修は、プレイリーダーの求められる能力を理解し、来年度の自分の目標を設定する、というテーマです。

 

まず、運営側が作成したYPCプレイリーダー実践能力レベルを読みながら、かつてのプレイリーダーの事例を聞き、自分はどのレベルなのかを考えてみました。

 

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その後、表現がわかりにくいところを、皆でどういうことなのか、話し合いました。

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「人間は、自分で意識している部分と、無意識の部分がある。」

相方や運営者と、毎回活動を振り返ることで、気づけなかったことがわかるのでリフレクションが必要だ、と嶋村氏から学んだことを思いだしました。

 

最後に、それぞれが、来年度の目標を設定する時間。

紙に大きく書いて、皆でシェアしました。

1年が始まる前に今年度をしっかり振り返って来年度に向かいます。

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横浜のプレイリーダーは、学びあえる仲間がいます。

時には議論したり、時には励ましあったり支えあったり。

現場も違うので、全員で集まれる日は月に1度。

来年度も、研修を重ねて、よりよい場をつくることを目指します。

どうぞよろしくお願いいたします。